2005年5月 1日 (日)

労働って

 午前5時起き。
 自宅PC前で黙々と学院の新しいホームページの校正に励む。アップすなわちリニューアル完成は4月末予定であったが、まあ、こういうターゲットが守れるためしはない。半端な出来で拙速に走っても意味がない。頑張っていいもの作ってますんで、もうちょっと待ってて下さい。
 GWだというのに、これが忙しくなってしまい、読み始めていたライシュ『勝者の代償』は完全に中断。ライシュは初期クリントン政権の労働長官である。
 情報通信技術の進歩によってわれわれの労働時間は延びた、とライシュは数字を挙げてまず述べる。業務を合理化し、従来は手作業でやっていた煩雑な仕事をコンピューターに任せることで、労働時間は短くなるはずでは? と誰もが思うところだが、それが違う。
 機械でもできる定型作業から解放され、クリエイティブな活動に専念できるようになったのはいい。が、このクリエイティブな仕事、要はアイディアを練るというような作業は、通勤途中でも、家にいても、食事中だってできてしまう。で、これをやっちゃってる時間を含めると、労働時間は先進各国でむしろ延びている、のだそうである。
 つまり以下のようなことだ。
 手を動かしてりゃ稼げた時代から、頭を使わなくてはあんまり稼げない時代になった。手は疲れるから、お互い休むときは休みましょうよ、というのんびりした雰囲気が昔はあった。頭だって疲れるが、手よりははるかに長く稼働させることが可能だ。だから最近はみんな休まない。あれやこれやと考え続けて、他人を出し抜こうとしている。
 言われてみりゃ、確かにそんな感じだな、と思う。ボクも夜中にふと何か仕事上のことを思い出して起き、それを手近なコンピューターに入れたり、ノートの切れ端に書き付けたり、ということをよくする。これなぞ、寝ながら仕事しちゃっているということになるだろう。学校運営やカリキュラムの大局的方針についてじっくり考えるのも、振り返ってみれば、むしろ休日や、通勤電車の中だったりすることが多い。
 今やっているホームページのリニューアルなんてまさにそれだ。例えば『ご挨拶』なんていうページがあるわけだが、
「こんばんは。大川泰です」
じゃ済まない(お前はラッシャー木村か)。どういうフィロソフィー(哲学)、方針でこの学校をやっているのか、余所とどう違うのか、などといったことを打ち出す必要がある。こういった活動は、「休日」に、誰からも話しかけられない環境でじっくりやるのじゃないと、いいモノはできないのだ。
 夜になって小雨が降り出す。夕食=エビフライ、フィッシュフライ、トンカツなど。



2005年5月 2日 (月)

気!

 午前6時起き。通常の日、通常の出勤。午前9時出勤。
 4月の給与計算に精を出す長谷川さん、羽生さん。授業のスライド作成に燃える松浦さん。女性3人に囲まれて、ボクはまたひたすら新ホームページの校正。7割ほど完成か。
 午後5:30退社。品川プリンスホテルわきのアクア・スタジアムは、ボクが朝出勤する時も、帰るときも、100mほどの行列ができている。
 電車内では『勝者の代償』を少し読む。英国航空では、得意客を、好みの飲み物と新聞で歓迎するのだそうである。
 大量生産、大量消費の時代は終わった。これからは「私的でパーソナル」なものがウケるというこの波は止めようがなかろう。私的でパーソナルとは重複した表現のようだが、非常に成功した医師でもあるボクの恩師がよく使っていた言葉である。
 どんな仕事でもであろうが、お客さんの私的なニーズにお応えしようと思えば、仕事は「気」でやらなくてはならない。気合い入れて、じゃないっすよ。気は「入れる」ものではなく、「使う」もの、「配る」もの、「回す」もの、「利かせる」ものだ。お客さんに「気が利いてるねぇ」って言って、あるいは思ってもらえないといけない。
「そんなことはやらないだろう」と人がタカをくくっているようなことを、しかも先を制して、つまり言われる前にやって初めて、「気が利いている」と判断してもらえる。つまりオーダーする前から好きな飲み物と新聞が出てくる、というようなことだ。リングの上でマイクを持たせてみたら「こんばんは」と言ってしまうっていうのも、相当、気が利いているとはいえよう。
 ボクらの仕事の商品はサービスである。質量のあるモノは一切売っていない。モノさえ良ければ、それを売っている人間が仮に多少、気が利いていなくても許せる。が、モノがなければ「気」しか残らない。
RIMG0001 夕食=ビーフステーキ、ご飯、納豆など。デザートに新発売のスーパーカップ「小倉味」を食べる。84円。





2005年5月 3日 (火)

期せずして仕事放棄

 午前5:30起床。自宅PCで仕事するぞ、と思って早起きするも、肝心のデータをコピーした外付けハードディスクドライブを学院に忘れてきたことに気づく。というわけで今日は仕事放棄。
 朝は曇って肌寒かったが、午後は晴れ渡り、気温も上がる。交通渋滞のニュースを眺めながら、ビールでも一杯。
b00005ujpf BS2が、どういうつもりか、ブルース・リー特集をやっている。今日は『ドラゴンへの道』。リーが設立した会社の第1弾作品であり、本人が制作、脚本、監督、主演までこなしている、いわゆる入魂の一作である。
 随所に見られる完全ぶっ飛びストーリー展開がすごい。例えばローマのコロッセオでチャック・ノリスと闘うのはいいが、なにも殺さなくたっていいじゃないっすか、殺さなくったって。個人的な恨みは無いっていう設定であり、チャックも一生懸命、右手がしびれたっていう演技してるんだから。しかもここ、世界有数の観光地だ。上半身裸の白人男性が大の字で死んでいたら、そりゃ問題になるでしょう。
 それでも同作品は、そのスジでは、一大傑作と評する向きが多い。ひとえにリーの個人技に負うものであろう。
 ボクなりに言葉を探すとすれば「静と動」。動きが的確であるからこそ、止まっている姿が様になる。この使い分けこそ、肉体系アクション映画に彼が持ち込んだ最大貢献と思う。その継承者というと――はっきりいって誰も思い浮かばない。彼にしかできない、まさに幻の芸だったということか。
 とある伝記作家がリーを評した表現が好きだ。
「自分のリズムで歌い、自分の速度で走った」
 また彼の本名が好きだ。李振藩(リー・チェンファン)。藩(ファン)はサンフランシスコの意味である。
 リーは舞台俳優であった父親の公演先、サンフランシスコで生まれた。その子につけた名の意味は、「いつかこのサンフランシスコを揺るがす(振)ような男になって欲しい」。世界を揺るがして走り「抜け」ちゃったリーさんは、生きていれば今年65歳だ。
 夕食=軟骨の唐揚げ、あんかけ焼きそばなど。



2005年5月 4日 (水)

GWこそ仕事に行こう

RIMG0008 午前6時起床。昨日の遅れを取り戻すべく出勤。素晴らしい天気。そして電車内も、駅も、街も、素晴らしい空(す)きようだ。ゴールデン・ウィークこそ仕事に行こう!
 大船駅ホームで太極拳をやるおじさんを発見! 平日のこの時間には決してできない技だ。昨晩BS2で『ドラゴンへの道』を見てしまったに違いない。とすると、今晩の放送は『死亡遊戯』だから、明日の朝の大船駅が心配だ。カリーム・アブドゥール・ジャバールとかダニー・イノサントとかが血まみれで転がっている可能性がある。
 孔子の言葉として英語の本で読んだものに
「Find a job that you like, so you don't have work a day in your life(好きな仕事を見つけなさい。そうすれば一生働かずにすむ)」
というのがある。中国語の原典があるはずだが、いまだに見つけられないでいる。誰かこの方面に詳しい方、知ってらしたら教えてください。
 まあしかし似たような意味の言葉は他にもたくさんある。人間性の真理をつく発想だからだろう。例えばソニー創業者の井深大さんの
「人生で一番幸せなことは、趣味と仕事が一致すること」
 以下はキケロの『ストア派のパラドックス』(中公バックス『世界の名著14』所蔵)から。
「自由だ、とは、なんのことです? 自分の望みどおりの生きかたができる、ということでしょう。では、自分の望みどおりの生きかたをしているのは、だれなのです? それは、正しいことを、そのまま実行している人だけなのです。義務に喜びを感じている人だけなのです」
 というわけで皆さん、ボクは好きで、楽しいからやってるだけですから、仕事。遠慮せず、皆さんもどうぞ、それぞれ好きなこと、存分に楽しんでください。
 大川学院が何を、どういう積もりでやってきたのか、やろうとしているのか、ということを、どういう順番で、どこでどういった写真を見せながら表現するのが一番分かりやすいのか。ホームぺージのリニューアルとは、そういうことを考える作業だ。午前9時から午後7時まで10時間、ほとんど席を外すこともなくこれをやり続けるが、全く飽きるということがない。
 夕食=鰻丼など。



2005年5月 5日 (木)

オフ

 ちょっとゆっくり寝て午前7時起床。オフとする。昼からコロナビールで一杯。
 近所を散歩。本屋さんにブラリ。
 ここの目と鼻の先に図書館がある。だからたいてい本屋で面白そうだと思った本は買わず、図書館で借りる、あるいは予約を入れる。身に染みこんだケチであり、なおしようもない。なおす必要も認めないが。
 しかし図書館には無い本というのはどうしてもあり、漫画はその例だ。吾妻ひでお失踪日記』を買って読む。
 昼食=ひやむぎ、夕食=カツカレーなど。



2005年5月 6日 (金)

スワンベーカリー

 午前5:45ほどに目が覚める。いつも通りの時間で出勤し、午前9時、学院に着く。もちろん電車は空いているが、5月4日ほどではない。
 授業再開。今日は1年生の日。皆さん元気っすか? 時差ボケ、遊びボケ、寝ボケなど、大丈夫ですか?
 講義、座学は脳梗塞、ボクの実技部分はまだカイロプラクティック概論が続いている。が、いよいよフィナーレ近くだ。カイロプラクティックの治効理論、つまり何故カイロプラクティックは「効く」のか、という部分の説明である。
 今日、理性的な検討に値するカイロプラクティックの治効理論を列挙すると、ざっと以下のようになろう。
①ゲートコントロール機序による鎮痛・和痛
②関節内外の癒着の剥離
③体性自律神経反射
難しそうでしょ? そりゃそうです、一応学校ですから。
 上にプラシーボ効果を加えて考えたがる人もいる。プラシーボとは? 患者さんの精神的な部分への治療効果である。いろいろ種類があるが、例えば術者に手で触れられ、暖かい言葉をかけられ、励まされと、そういったことによる効果など、である。
 以上、カイロプラクティックの3大、プラシーボを加えれば4大、治効機序(効く仕組み)でした。本ブログの趣旨(ワタシの人となりを分かっていただく)からして、これ以上詳しくはできません。
 講義後、新入生だけちょっと残ってもらって、フェンサースタンスのテスト。早くも実技テストだ、簡単なやつだけどね。
 フェンサースタンスとは? フェンシングの選手の立ち方に似ているので、この名がある。カイロプラクティック手技を行う上で最も基本となる、大切な立ち方だ。
 予報通り、日中、雨となる。雨中、五反田図書館まで歩き、予約していた『はばたけスワンベーカリー』を借りる。
 スワンベーカリーとは、あのクロネコヤマトの宅急便の生みの親、小倉昌男さんが主催するパンの製造販売チェーン店である。障害者の方々を優先的に雇用し、自立支援することを目指している。
 最近は、うるさがられるんで、あまりしないが、ちょっと前までは、直営店の院長には小倉さんの『経営学』を読ませたものだ。いい仕事をしたければ上を見てちゃ駄目、目の前を見なさい、ということが書いてある。ボクの非常に少ない蔵書(買わないからね、ケチだから)中、一番、線引き、書き込みが多い本だと思う。
 夕食=鳥の唐揚げのタルタルソースがけ丼(好きなんです)など。



2005年5月 7日 (土)

蛇の道は蛇

 午前5:30起床。せっかく早起きしたので少しゆっくりと、『はばたけスワンベーカリー』を読み、洗濯をしてから出勤。
 池田山を散歩。7:40出社。
 現在、1年生用のチャート教材はバージョンアップの真っ最中である。午前中は黙々と、これに取り組む。
 2年生の授業は、まずMRIの原理、読み方などについての講義。
 MRIの原理、読み方などについてボクがアメリカのナショナル・カイロプラクティック大でいくばくかでも習ったかというと、そんなことは全くない。新しい技術でもあり、MRIのエの字も、学校では習ったことはない。では何故ボクが偉そうに、そういうことについて講義できているかというと、それは帰国後、自分で学んだからである。
 そんないい加減なものでいいのか、とお思いかも知れないし、この点、議論の余地はあろう。が、「いい」とボクは思っている。
 手技療法家として必要にして充分なMRIの知識といえば、分量は限られている。基礎さえできていれば独学は充分に可能だ。また、そういった過程で「手技療法家としてなら、ここまでは是非知るべきだが、ここからは必ずしも分かっている必要はない」などといった、あちらこちらに存在する境界というものが見えてくる。これは、なまじその道の専門家から講義を受けてしまうことからは得られないメリットだ。
 後半の実技は、学生を患者さんに見立てての治療シミュレーションの続き。今日もまたボクが、飽きもせず、デモをやって見せる。次の次の回あたりからは、皆さん、お互い組んで、同じことをやってもらいます。
 夕方近くになり、雲が晴れてくる。長かった春休みとGWをくぐり抜け、やっといわゆる普通の仕事生活に戻った感じである。
 夕食=鳥カツ弁当、サラダ、グレープフルーツ・ジュースなど。 
 



2005年5月 8日 (日)

ブログのネタ

 午前4:30にいったん起きるも、二度寝、ちゃんと起きたのは6:30。8時出社。
 2年生の準本科の新学期初日。これで全ての学年と科がスタートしたことになる。授業内容は、本科で3日かけてやったものと同じ、である。
 Sさん、今日の講義はどうでしたか? X線、CT、MRIの原理、異同、メリット・デメリットがよく分かりましたか? だいたい読んでますか、このブログ?
 実技は学生を患者さんに見立てての治療のシミュレーション。
 午後5時、ほぼ定時にに準本科の授業終了。
 午後6時からの学校説明会で1時間半ほど話す。Kさん、治療のデモに体を貸していただいてありがとうございました。参加者との一問一答。
Q「アクチベーター、ドロップテーブルなどといった、いわゆる器材を使うようなテクニックを御校では教えますか?」
A「基本的には、一切教えません。体技ができていれば、そういったテクニックは、楽に後から修得することができるからです。2年という、そう長くはない時間枠の中では、ひたすら体の技を磨くことに専念すべきだと思います」
――――
Q「アメリカでの解剖実習は必要ですか?」
A「解剖実習を経験していなければ、社会に貢献できる治療家になれないか、と言われれば答えはNOになると思います。我々は外科医などとは異なり、皮膚、衣服の上から患者さんの身体に触れて治療を施すわけです。だから皮下を肉眼で覗いたことがあるか無いかは、必ずしも治療家の能力を大きく左右しません。実際、実習を経験していなくても立派に活躍している治療家はたくさんおります。
 が、それでも、アメリカでの解剖実習がいい体験であろうことは動きません。実習そのもの以外にも、本場の大学を見ることや、現地の学生との交流から受ける刺激も有益であるはずです。参加できる状況にあるのなら、是非お奨めしたく思います」
 学生から「ネタに困りませんか」と聞かれたが、このブログ、今のところ全くその点では困っていない。授業で喋るのは毎日、短くて2時間、長ければ6時間。それだけの分量のしゃべり枠があれば、話していることのどれかはネタになる。
 また、授業だけでなく、説明会でもなんだけど、受けた質問に対して答えれば、それは全て、ほとんどそのままネタに使えてしまう。だから質問、学生さんも、説明会に参加してくださった方も、ドンドンして下さい。
 夕食=イタリアン・ハンバーグなど。



2005年5月 9日 (月)

ルーティーンとは何か

 なにやら妙に疲れ、午前6:30にいったん起きてシャワーを浴びるも、また寝てしまう。結局、午前10:30頃出社。期せずして時差出勤になってしまったわけだが、電車が空いていて、非常に快適であった。
 1年生の授業。いよいよ(なんかいつもこんなこと言ってるようだが)、実技に入る。ルーティーン1および2とは何か? いわゆる定型業務です。この順番でこことここをこうやって、という一連の手技のパッケージですね。これをこれから数ヶ月かけて、憶え、できるようになってもらいます。
 何故パッケージ? どうして定型? 患者さんのニーズは個々別々なのでは? ごもっともな疑問です。
 たしかに患者さんが百人いれば、対応の仕方も百通りあり得ます。またそういう柔軟、多様な対応ができる治療家ほど優れた治療家であることも、間違いありません。
 が、そういう対応って、ベテランになってこないと、なかなかできない。ベテランになるまでどうするんですか? スタッフとして下働きしますか? 生活がもちませんよ、給料高くないですから。また、スタッフ待遇でいくら時間を経ても、治療家としての力って、ある以上にまでは上がってこないんです。
 そんな悩みに一発! だからルーティーンです。一通りのパッケージの中に、何とか治療を治療として成り立たせるエッセンスが入っています。これを体にたたき込んでしまえば、どう対応したらいいか悩むようなケースでも、それなりに患者さんを楽にし、喜んでいただけるぐらいのことはできるようになっています。
 ところで授業に、この間の3月に受講を全部終わった2年生(まだ卒業はしていない)が3人ほど、出て来ている。そういえば昨日の2年生準本科にも、単位はもう取り終えているHさんが来ていた。
 追加授業料もらっちゃおうかなぁ~。って、それはしません。大川学院では、卒業までは講義、どの部分を何度聞いてもらっても結構です(キッパリ、そしてまた自慢)。それで立派な治療家になってくれるんなら、おやすい御用。だいたい教える方の手間って、学生が多少増えたからって変わるものじゃないですから。
 Hさんは今日はまた事務局に来て、ほぼ丸一日、講義ビデオを見ている。頑張りますね~。
 夕方、近所のシーメンスのビル前の庭というか広場で、お弁当を食べる。ここが静かでよい。最近気に入っているポロロッカの鳥の唐揚げ南蛮ソースがけ丼である。これが夕食。



2005年5月10日 (火)

TMJとセネカ

 午前中はちょっとゆっくりする。自宅で今日の講義の予習、セネカ『怒りについて』を読み、昼近くに出社。
p92003271 セネカとは? 紀元1世紀に生きた古代ローマ帝国の政治家にして哲学者である。『怒りについて』とは? 「怒っちゃあいけねえ、怒っちゃあいけねぇ~よ」という本だ。
 ソクラテスプラトンとも、「怒りは上手く使え」派だったそうである。例えば社会悪に怒り、その怒りの力で、世の中を変えていけ、などというようなことだ。
 これに対しセネカは「絶対怒るな」派である。怒りを理性に従わせておける保証はない。精神(自制)と感情(怒り)を完全に分けておける人は滅多にいない。歴史を眺めても、怒りに駆られて暴走し、マズいことになっちゃった例の方が圧倒的に多い。だから最初から「怒るな」というわけだ。
 読者はソクラテス派、セネカ派、どちらだろうか? 多分、ソクラテスの言い分に共鳴する人の方が多いんじゃなかろうか。平将門、忠臣蔵、力道山など、日本人の好むヒーローたちには、怒りをバネにして頑張った(あるいはそういう芸風の)人が多い。
 今日の2年生の講義は、顎関節症候群について。顎関節症候群とは? いきなりアゴが痛くなり、口が開かなくなったりしてしまう、やっかいな病気もしくは障害だ。何故そんなことになるのか?
 要因は様々である。例えば奥歯の無い人。歯に吸収されるはずの圧がマトモに顎関節にかかり、これが関節内部の組織を傷めることがある。
 が、最も大きな原因はストレスである。ストレスを感じている人が、知らず知らずのうちに咀嚼筋(噛みしめる筋肉)を緊張させ、顎関節に負担がかかって痛くなる。また、疲れ果てちゃった筋肉そのものも痛くなる。筋肉からの放散痛で頭痛や肩こりも怒る、いや起こる。
 いろいろな対処があり得るが、ストレスが根本原因である以上、これを何とかするのが究極の治療法ということになる。ストレスにもいろいろあろうが、怒りの感情は最大のストレス源だろう。
 ストレス・マネージメントのための処方としては、ソクラテス流よりセネカ流の方が効きそうだ。というわけでセネカに聞け! どうすれば怒らずにすむのか?
 セネカによる、怒らないための工夫の例①=「知ろうとし過ぎない」。人生における様々な物事、見えていないんじゃ判断を誤る。駄目なものを見つけたら、もちろん、正さなくてはならない。が、それをやるのに充分な情報さえ集めたら、それ以上は詮索しない方がいい。怒りの感情に火をつけるような、生々しい細部にまでは首を突っ込むな。
 こりゃ、大川学院のインストラクター、小梨さんの言ってたことと同じだ。彼との間で一度、授業中に居眠りしている生徒がいたらどうするか、という話題になったことがある。
 ボクなんか、退場させちゃう。これ、学院のルール通りであるから、問題はないはずだ。が、口調は、やっぱり、厳しくなる。その後の教室の空気がやや重くなることは避けられない。
 小梨さんがどうするかというと
「その生徒の方を見ないようにします」
さすが! 哲人だね。
 セネカによる、怒らないための工夫の例②=「疲れない」「働きすぎない」。もって生まれた才能の限界付近で仕事をしちゃってると、疲れ果てちゃう。疲れれば誰だって怒りっぽくなる。
 だからもう少し仕事、セーブしなさいよと、余裕をもったスケジュールを立てなさいよと、いうことだ。もちろん、そんなことができればハナから苦労しとらんわい、と患者さんの大部分は宣(のたま)うだろう。でも自営業者なら、できますよ、これ。
 なんかセネカの著作って、哲学書というよりはビジネスマン向けのハウツー本みたいだ、と思わないだろうか。古代ローマの哲学って、そんな実利を求める感じのものが多いのだ。低次元だと、言う人は言うだろうが、ボクは好きです。
 夕方に松屋の牛丼&野菜。で、これが夕食。



2005年5月11日 (水)

直営店で働く方法

RIMG0004 午前6時起床。10時出社。
 すぐにS社、SさんとHPのリニューアルについての打ち合わせに入り、これが正午頃までかかる。Sさん、お疲れさまでした。よろしく。写真の巻物のようなものはボク作成のHPの「仕様書」。
 1年生の授業。R(ルーティーン)2の実技開始である。
P1010022 大川カイロプラクティックセンター逗子院の院長、田中さん(写真手前。奥は、やはりインストラクターの長谷川さん)がサブ・インストラクターとして駆けつけてくれる。彼は毎週火曜日の担当である。りらっくすステーションの栫井さんも来てくれる。彼は1年生の実技には、基本的には、毎回来てくれることになっている。
 R1が主に治療を目的とする手技パッケージであるのに対して、R2は、むしろ慰安的操作に重点をおいたパッケージである。技術的にはR1よりは容易であるので、こっちを先に練習することとしている。
 テーブル(治療台)の扱い方から始め、患者さんへのタオルのをかけ方、テーブルわきでの立ち方など、といった具合で説明と練習が進む。
 フェンサースタンスの原則とは? 可能な限りフェンサースタンスに近い形で立たなくてはならない、ということである。
 リーンの原則とは? Leanとは「寄りかかる」という意味。両膝を、これも可能な限り、テーブルの端に寄りかからせておかなくてはならない、という原則だ。これらを守ることによって手技が安定し、術者にとっては体(特に腰)が楽になる。
 地道でしょ、やってること。今は手(あるいは体)を作る時期です。R2の手順を憶えることも、それに慣熟することも必要ですが、それ以上に大切なのは、あらゆる手技に共通する原則を体にたたき込むことです。これを入れておくと、お後(あと)がとても楽になります。みなさん、頑張ってください。
 お世話になっている保険会社の弊校担当、Kさんが、同社発行の冊子を持ってきてくれる。その裏表紙にある詞(ことば)
「愛情をお金であがなうことはできません。けれどお金に愛情を込めることはできます」
は、同社のテレビCMで使われていたもの。ボクが気に入っていたのを、Kさん、憶えていてくれたのだ。細やかな気遣い、さすがである。ところでこれじゃ会社の名前、バレちゃいますけど、別に、いいんですよね?
 新入生Wさんから
「学院の直営店で働きたいんですけど、どうすれば?」
との質問を受ける。
 それは院長に気に入られるしかないでしょう。ボクや学院事務局は、直営店の採用には権限がないんです。だから院長が採ると言ったらそれまでです。
 ボクのお奨めは「ご用聞き」に行くことですね。学院生で、見学したいんです、なんなら何かお手伝いします、と言えば、院長はみんな受け入れてくれるはずです。で、顔と名前を憶えてもらって、働く意志があるんだということを告げておけば、欠員が出た時に一番最初に連絡してもらえます。
 院長が誰から採用しようと考えるか、考えてみてください。やる気のある人、ですよ。技術や知識は教えることができるんですから。求人募集の張り紙を見て来る人と、求人をかける前から自分でご用聞きに来た人、どっちの方がやる気があるように見えますか? 言うまでもないでしょう。
 夕食=鳥の唐揚げ、麻婆豆腐、カツ丼など、残り物のオンパレード。



2005年5月12日 (木)

MJDとは何か?

 通勤途中、品川駅に近づく辺りで、ボクの乗った電車が、修学旅行の貸し切り電車と、しばし併走する。中学生だろうか? 神奈川方面から来るわけだから、西日本のどこかからだろう。多くの子たちがこっちにしきりに手を振っている。
 可愛い。が、しかし、あの一群と駅のホーム、あるいはホテルのロビーで遭遇しちゃったら――やっぱり、耐えられんだろうなぁ。ふるさとは遠くにありて思うもの。修学旅行の子供たちは、電車中にありて、眺むるもの。
 2年生の授業。前半は脊椎、特に頸椎の機能解剖学。
 ここの出っ張りが何々で、あそこのへっこみがコレコレだ、というのが普通の解剖学。これに対して「機能」解剖とは、ここにはこういう動作でこういう力がかかって、だから事故の際にはここが切れる、潰(つぶ)れる、などという感じのものだ。つまり、字のごとく、体の機能(動きや負荷)に力点をおいた解剖学である。
 後半は、ボクがやってきた治療のシミュレーションを真似して、学生同士2人1組になって練習してもらう。問診、動作テスト、筋肉と骨格の触診、MJDのリリース、動作テストをもう一回、といった流れである。
 MJDとは? Myo-Joint Dysfunction、筋・関節機能不全である。
 筋肉の異常な緊張があり、それそのものが痛い。緊張を続けた筋肉はトリガーポイントという「しこり」を、その中に持つようになる。で、このトリガーポイントというやつ、そこから離れた所にも痛みを「飛ばす」 これを関連痛と呼ぶ。
 さらには、緊張した筋肉にまたがられた関節は、次第に動きを失う。これをフィクセーションとか、関節ブロックとか呼ぶ。
 関節が動かなくなることの何がいけないのか? まずその関節をまたぐ筋肉が短縮しやすくなる。筋肉や腱(筋肉を骨に結び付ける組織)は、日常生活の動きの中で自然に伸ばされることによって、柔軟性を保っている。が、関節ブロックが起こると、その自然な「伸び」が阻害されるからである。
 この他にも、関節が動かなくなることにはもう一つ、マズイことがある。固有覚が上がってこなくなることである。分からないでしょ? 説明しよう。
 関節が動くと、関節包(関節を覆う膜)から脊髄に、固有覚という感覚が上がってくる。固有覚とは、関節の位置や動きについての情報である。固有覚には、痛みの感覚を脊髄レベル(つまり脳に到達する前の段階)で抑える作用がある。だから、関節がブロックを起こして固有覚が上がらなくなれば、この作用が失われ、痛みが脳に直(ちょく)で届きやすくなる。つまり、イタイ。 
 まあそんなわけで、筋肉の緊張や隆起と、関節の動きの悪さは、だいたい同じ部位に生じる。これを一言でMJDと呼ぶわけだ。これを探し、リリース(柔らかく)すると、そういう練習をやるわけである。
 夕方、昼間部と夜間部の間に教室で、学生たちの自由練習にちょっかいを出しながら、夕食を摂る。鳥の甘酢がけ丼、サラダ、水。



2005年5月13日 (金)

品川探訪

RIMG0098 オフ。五反田からソニー通りに沿って品川方面に歩く。ふと思い立って八山橋を右に渡ると、そこから、どうやら最近できたばっかりの通路があり、これが高層マンションVタワー、品川インターシティーへの近道になっている。
 インターシティー内の公園は五反田側から杜の公園、セントラルガーデン、汐の公園と名付けられてはいるが、実際は一続きである。品川インターシティーとその真向かいのビル群で勤めるサラリーマン・OL達の憩いの場だ。が、午前中は人影もまばらで、非常に気持ちがよい。
 中にFolly(模造建築物)と呼ばれる、まあ、オブジェみたいなのが7つ配置されていて、そのそれぞれがなかなかに気が利いている。ボクが入った側からだと7から始まるFollyを思い切って一挙大公開。最近、写真が少なかったからね。
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RIMG0082
RIMG0090
RIMG0088
RIMG0076←カメラマン。
 最近の品川駅付近は修学旅行、同窓会のメッカとなりつつある。新幹線が停まるようになったからだろう。つめえり、セーラー服の中高生が行き交い、「同窓会」のプラカードを持った熟年の男女がそこ、ここに、皆さん実に嬉しそうな顔をなさって、立っている。
 品達でラーメンを食べて帰宅。2ヶ月ぶりに散髪。
 レコード屋さんで、いわゆるシャンソンのベスト盤を、何も分からず、買う。床屋さんで流れていたのが気に入ったからだが、ボクが買ったのは期待していたのとはマルで違って、大失敗。聞けばよかったんだよね、床屋さんで、そのCDのタイトルを。が、そういうこと、苦手な人である。なんか恥ずかしくって。
 ついでに買ったジョージ・ベンソンのCDは――まあまあ、かな? 音楽の良し悪しっていうのも分からない人だ。
 夕食=ぶたしゃぶなど。ぶたしゃぶとは豚肉のしゃぶしゃぶである。牛肉だと、煮え切ってしまう前にスープから引き上げなくてはならないが、豚にはその忙(せわ)しなさがなくてよい。しかも美味い。ビタミンBも豊富だ。焼き肉も牛より豚の方が好き、とまでは必ずしもいわないが、牛と同じぐらい豚も食べる。
RIMG0106←おまけ。これも品川で撮影。「すいません、一個ください」








2005年5月14日 (土)

CMTにおける特異性とは

 午前10:30の遅い出社。
 2年生の授業。前半は頸椎の機能解剖、最後まで。
 後半、今日はボクが治療のデモをやって見せる番である。要点について解説しながら、また、学生を患者さんに見立てて治療を進める。今後しばらくは、この調子で、ボクがやるのを見るのと、自分でやるのと繰り返しになります。
 カイロプラクティック独特の、あの背骨の関節をポキポキっと鳴らすような手技をCMTあるいはアジャストメントなどと呼ぶ。CMTにはいくつか種類があって、コンタクトの広い狭いによって区別される。コンタクトとは? 直訳すれば接触、つまり、術者が患者さんの体に手をあてることである。
 狭いコンタクトであればあるだけ、手技は正確になる。ある椎骨(背骨を構成する一つ一つの骨)だけを動かして、その上下の椎骨は微動だにさせない、などという芸も可能だ。が、狭いコンタクトの手技は、患者さんにとっては少し痛い。一方、より広いコンタクトの手技は、ご想像の通り、操作がアバウトになる反面、患者さんにとってはむしろ楽である。
 狭いコンタクトによる手技をスペシフィック(特異的)手技、広いコンタクトによるそれをアンスペシフィック(非特異的)手技などと呼ぶ。両者の折衷型というのもあり得るわけで、スペシフィックよりはやや広め、アンスペシフィックよりはやや狭めにコンタクトするような手技はセミスペシフィック(半特異的)と呼ばれる。
 大川学院では1学年時にスペシフィックおよびセミスペシフィックを教える。これらがより基本に忠実だからだ。で、2学年次の課題は、ペイシャント・コンフォートつまり患者さんにとっての楽さ加減であり、つまりアンスペシフィック的な手技である。
 以上、やや内部的に過ぎる話でしたでしょうか? 学院生も読んでますんで、これ。こういう話にもたまにはなります。
 夕食=またいつもの鳥の唐揚げタルタルソースがけ丼、サラダなど。



2005年5月15日 (日)

午後猛雨

 午前9:30出社。外はほんのちょっと雨が降っている。
 2年生の準本科の授業は、大川学院直営店の一つ、りらっくすステーションで行われる。スタッフが土曜の夜、仕事の後で、テーブル(治療台)を動かすなどしてくれ、治療院が教室に早変わりする。これを月曜の朝にはまた元に戻さなくてはならないわけだ。いつもご苦労さま。
 本科でこの1週間、やってきたことをそのまま日曜に繰り返すのが、準本科の基本である。日曜にしか時間をとれないという学生が通ってくる他に、本科の学生が授業を繰り返し受けるために出席することも多い。
P1010031 また、本科生であったのが、仕事が忙しくなって、準本科に鞍替えということもある。逗子の直営店に就職した東(あずま)くんなどもそのクチだ。ちなみに東くんのボスの田中さんは、全国柔道整復師協会という団体のセミナーに講師として呼ばれ、今日は福岡に行っている。
 午後、ほんの一時だが、猛雨に加えて雷まで鳴る。ほぼ定時の5時に講義終了。6時頃まで自由練習につき合い、今日は説明会がないので直帰。
 夕食=ポークステーキ、サラダなど。



2005年5月16日 (月)

ブラブラすること

 午前9:30出社。快晴。
 昨晩の夕食が早かったせいか、お腹が減ってしまい、午前11時、なか卯で肉うどんを一杯。ネットで調べて知ったが、品川区ではなか卯、五反田にしかないようである。うどんのスープは関西風の薄味で、全部飲める。
 1年生の講義、座学は松浦さんによる白内障、緑内障の話。
 ボクの実技は、頸肩部の軟部組織テクニック。頸肩(けいけん)部つまり肩と首かいわいの筋肉の緊張を緩和する操作だ。立ち方、コンタクトのとり方、押圧のかけ方など、パーツに分け、説明し、実演しては、2人1組になって練習してもらうことの繰り返し。
mi 月曜は直営店にしくぼ整体の峯岸くん(写真)がサブ・インストラクターとして来てくれる日である。峯岸くん、今日が新入生とは初顔合わせになるので自己紹介。
 学生のGさんに
「あら、先生、髪の毛切って若く見えますね」
とミエミエのお世辞を言っていただく。
 昼間部が終わるのが午後4時で、夜間部が始まるのは6:30。同業他校の夜間部は6時始まりが多いようであるが、これだと授業開始までに駆けつけるのがキツいという声に答え、少しではあるが遅らせてある。5時が終業の定時だとしても、たいていの職場では5時キッチリには出られない雰囲気があろう。その上、移動時間を考えると、確かに6時スタートはキツかろう。
 昼・夜間部の間の時間にボクが何をしているかというと、なるべく教室でブラブラするようにしている。居残って実技の練習をしている昼間部生や、早めに来て座学の予習をしている夜間部生など、ちょっかいを出す相手には困らない。まあ、何となく顔を見せていれば、学生も相談やら質問など、しやすいのではないかと考えてのことである。
 夕食=二色ご飯、サラダなど。



2005年5月17日 (火)

ショボい生活

 午前6:15起床。曇り。また今日も、やや寒いか? ハーフパンツはよして、通常のジーンズで出勤。
 電車中の読書はルソーの『孤独な散歩者の夢想』。ルソーとは? 200年ほど前のフランスの思想家だ。『孤独な散歩者~』とは? 「ツレえよなぁ、人生って」という本だ。
 ルソーの『エミール』とか『社会契約論』なんかは、中学高校の歴史や倫理社会の教科書にも出てくる。前者は教育論、後者は政治学の定番、名著とされるものだ。
 が、50歳の時に書いたこの『エミール』のお陰で、ルソーは世間から迫害されることとなり、フランスを出、奥さんと一緒にヨーロッパのあちこちを転々とするハメになった。その内容の一部がキリスト教の教会から嫌われたためである。これは教科書には出てこない。
 しかし50過ぎてのそういうことって、そりゃ辛いだろう。そのボヤきの書が『孤独な散歩者~』である。散歩しながらグチるわけだ。
 2年生の講義。ディスアファレンテーションについて説明する。ディス…? これは最近、アチラ(アメリカ)で流行っている(らしい)、カイロプラクティックの新しい理論である。
 カイロプラクティックはかつて、背骨のズレを矯正するもの、と主張されてきた。が、これは今日、考え方として既にずいぶんと古い。背骨がおかしくなって腰痛や頚部痛になるのは、背骨の「動き」が失われるからである、というのが昨今の一般に受け入れられているカイロプラクティックの病理モデルである。ちなみに背骨のズレをサブラクセーション、動きの喪失をフィクセーションもしくはブロックなどと呼ぶ。
 ところで背骨が動かなくなることの何がいけないのか? そこを上手く説明するのがディスアファレンテーション理論である。さすがにこれ以上は踏み込めないなぁ。続きが気になる方は大川学院へどうぞ。
 夕方、なか卯でカツ丼を食べ、五反田図書館まで足を伸ばして柏瀬宏隆『鬱力』を借りる。予想に反して蒸し暑く、汗みずくになる。
 と、100円で500ml缶を売るソフトドリンクの自動販売機を発見。珍しい。さすが図書館の近く。通常の経済原則が成り立っていないということか。そんなわけないか。
 マウンテン・デューを買って歩き飲み。たまらんゼ、このショボさ。しかし最近特になんだが、こういうショボい状況が嫌いではない。出費100円で、これだけ運動もできて、手には本まである。
『孤独な散歩者~』の「第5の散歩」(第5章)でルソーが、パリを追われ、とある孤島で2ヶ月ほど隠れて過ごした時のことを細かく描写している。簡素に暮らすことの賛歌だ。
 昨年の夏に、友人が軽井沢に持つ別荘に泊まらせてもらったことがある。一番楽しかった思い出は、その近所のキャベツ畑を、山を眺めながら、散歩したこと。一番嫌だったのは、ガイドブックに載っていたレストランで、お腹が減っているのに、待たされたこと、だなぁ、やっぱり。



2005年5月18日 (水)

コンピューターの買い置き

 午前9時出社。快晴。午後には西日本から雨がやってくる予報だが。
aaaaa これが愛用のIBM、ウルトラナビキーボード。タッチパッドはオフにし、トラックポイントでだけ操作する。こだわりの一品というヤツだ。しかしアップで見ると、ちょっと汚れてるなぁ。お菓子食べながら仕事とか、よくするからね。
 まず昨日の講義日記を書き足したり、このブログの形を整えたり。それからチャートのメンテナンス、といつもの朝仕事。これが一通り終わった頃に、スタッフの羽生さんあたりが出てくる、というのがだいたい決まったパターンである。
 昨晩、教室の講義用プロジェクターにつながっているコンピューターが壊れる。これを新しいのに取り替える作業に、スタッフの長谷川さん、今朝は大忙しである。
 こういう時に備えて、最近では常に1~2台、予備の新品コンピューターを取ってある。コンピューターの買い置き! トイレットペーパーじゃあるまいし。そういう時代なんだねぇ。
 仕事に飽きるとその場で、傍らに転がしてある『鬱力』を拾い読み。自営業者ってやっぱりいいねぇ、こういうことしても叱られないから。
 鬱に苦しみながら、しかしそれをバネにして業績を残した人たちの話だ。でもその多くが悲しく、早い死を向かえている。同書中、尾崎豊の奥さんのコメント
「年をとった尾崎など考えられなかった」
ちょっと、オクサン、そんな。一ファンのコメントじゃないんだから。
 1年生の講義。松浦さんの座学は眼底出血、網膜剥離と、眼シリーズが続いている。
 ボクの実技は、まあ、いろいろと。肩甲骨の触診やら、その付近の筋肉の操作やら、である。
 講義終了とほぼ同時、午後9:30に学院生Kくんが来る。インターネット関係の仕事なんかしちゃってるせいで忙しく、昨年を休学してしまったのだが、今年もまた忙しく
「休学させてください」
とのこと。
 大川学院は、大学とかと違って、何年で卒業しないとクビ、とかありませんから。塾ですから。時間ができたら、学院がツブれない限り、また是非来て下さい。いつでも待ってます。
 夕食=回鍋肉、御飯、魚の粕漬けなど。



2005年5月19日 (木)

昼寝

 午前10時出勤。久しぶりに高輪プリンスを回る、遠回りコースで品川から学院まで歩き、朝から汗みずくになる。スタッフの羽生さんに
「暑いね!」
と声をかけると
「そうですか?」
彼女はカーデガンをはおっている。
 授業前、2年生に向けて、松浦さんがアメリカ解剖実習の宣伝をやる。彼女の母校であるオレゴン州、ウエスタン・ステーツ・カイロプラクティック大学への、この実習ツアーも今年で3年目となる。一昨年の第1回にはボクも同行した。シアトルからポートランドまでプロペラ機で飛ぶのだが、プロペラの真横の席に座ってしまった。あれってすごく恐いものです。
 座学は頸椎の椎間板ヘルニアに入る。ヘルニアとは?
 椎骨(背骨の骨)同士の間を結ぶ軟骨組織が椎間板。椎間板は中央にゼリー状の核があり、それを線維輪(せんいりん)という膜が包み込む形になっている。
 線維輪が破れ、核が飛び出したものが椎間板ヘルニアである。破れた線維輪が痛い。また飛び出した核が付近の神経を圧迫する。で、痛いわ、腕はしびれるわの大騒ぎとなるのである。
 実技は、また治療のデモンストレーション。うーん、そろそろ皆さん、分かってきたでしょ。これができてりゃ一通りの治療業務は成り立ちます。頑張って下さい。
aa←教壇からの風景。もちろん休み時間中。
 夕方、1時間ほど昼寝をする。2年生の授業はマンツーマン形式だから、昼・夜間部のべでほぼ6時間しゃべり続けることが珍しくない。そりゃたまには疲れます。
aaa←2年生Mさんからのプレゼント。治療院勤務のかたわら、自分のために作ったものだそうである。
 2年生を送り出し、地下の事務局にこもって、一人で夕食。いつものヤツ=鳥の唐揚げのタルタルソースがけ丼、サラダ、デザートにサバラン。
 その後、珍しく残業。通常、昼・夜間部の間の時間にこなしている仕事を片づける。講義日誌の記入、経理帳簿のチェック、チャート教材のメンテナンス…。
 その日講義した部分のスライドとマニュアルの手直しも重要だ。頭に入っている知識については、やはりアドリブで喋ってしまう。が、それだといけないのだ。同じ内容で来期も喋れるかどうかが保証の限りでないし、昼間部、夜間部、準本科で、内容に差が出てしまう可能性も常にある。というわけで、いつやってもなるべく同じ講義内容になるよう、マニュアルやスライドを書き換える。地味だなぁ、やってること。
 就寝、日が変わって午前1:30。



2005年5月20日 (金)

オフ

 昨晩の就寝が遅かった勢いに乗って遅起き――してしまっては駄目なのだ。今晩がまた眠れなくなる。体にむち打って午前5時に起きる。
 物心ついた頃よりの不眠症である。一時はお酒を睡眠薬代わりに使っていたが、これは危ない。アルコール依存症への最短距離といえる。睡眠薬は? これも危険。川端康成など中毒になってしまった。
 ではどうすれば? それは意外に簡単で、「遅」寝早起きが効く。寝れなければ寝なければよいわけだ。夜遅く、本を読んだり仕事を片づけたりしてしまう。だから手近に何かネタを、常に置いておく。
 寝不足にならないか? 多少は。が、アルコールや薬物中毒で亡くなった人は数多(あまた)あれど、睡眠不足で死んだ人はまだいない。
 オフであるからして、ブラブラと過ごす。昼食=酢豚、五目固焼きそばなど。昼を食べれば夜はほとんど食べられない。うどんを一杯。昼寝をした割には、夜もよく眠れてしまう。



2005年5月21日 (土)

アメリカンチェリー

 午前6:30起床、10時出社。
DSCF0083 2年生の講義前、スタッフの長谷川さんがアメリカ解剖実習の「宣伝」をやってくれる。彼女は去年、このツアーに参加しているので、その体験を踏まえてのお話し、および写真の公開である。写真は去年の実習時の一こま。
 講義は、頸椎の椎間板ヘルニアがまだ続いている。頸部には7つの骨(椎骨)があって、それぞれの間に椎間板があり、ヘルニア(脱出)はそのどれにも起き得る。が、5番と6番の間あたりが一番多くて、次が6番と7番。つまり下の方が危ない。これは、下に行けば行くほど負荷が大きくなることを考えれば分かりやすい。
 ということで、ヘルニアの高位(どの椎間に生じているか)を判定するための検査なども、練習する。打腱器で腱を叩いて筋肉がピーンと跳ね返る、あれなどである。
 実技は、今日は、学生同士、治療のシミュレーションを「やる」順番の日。サブインストラクターの長谷川さんも事務局から上がって来てくれる。
 夕食=いつもいつものポロロッカ弁当、鶏のタルタルソースがけ丼にサラダ。今日は思い切ってデザートに、アメリカンチェリーも買ってしまって、近所のシーメンスビル前の広場で食べる。
 夜間照明が点いていたのだが、食べている最中に消えてしまう。膝にお弁当を乗せているわけで、動くのも億劫だ。そのまま暗闇の中で食べ続けるが、これもなかなか気が落ち着いていい。
 



2005年5月22日 (日)

ペラペラ喋るな

 午前7時起床。島津山を15分ほど散歩。8時15分出社。
 ルソーの『孤独な散歩者の夢想』は昨晩読み終わる。泣きのエンディングだ。
 世間から閉め出され、今日もまた一人寂しく散歩するルソーが、まだパリに出て来たばかりで彼の「悪評」を知らない老人と知り合い、つかの間の親しい会話を交わす。で、泣いてしまうわけだ、ルソーが。これは彼が六十五歳で亡くなる直前に書かれたもの。
 世間から身を隠すようになって自分は自分に立ち返ることができた。それが本当に良かったゾ。と全編を通じて、この本は、訴えているのだが…。ルソーにゃ悪いが、いくら後世から評価されても、現世の黄昏がこれってのは、ボクなら(でも)やっぱり耐えられんなぁ。
 プルタルコスの『饒舌について』を読む。なぜいきなりプルタルコス? それはルソーが薦めてくれたから。
「空の器は大きな音をたてる」とはプルタルコスが生きた古代ローマ時代の格言だそうである。この諺の通り、「中身の無いことをぺちゃくちゃ喋ってるヒマがあったら、しっかり人の言うことをこそ聞かんかい」という本だ。
 ボクがよく学生や治療家に言うことに「七聞き、三しゃべり」というのがある。自分が喋る分量の少なくとも倍は患者さんに話させなさい、そういう雰囲気を作りなさい、ということだ。同じだね。
 同書中のアリストテレスのエピソード。
「先生、私の話にお疲れのようで」(おしゃべり者)
「いや、とんでもない。聞いてはいなかったからね」(アリストテレス)
いいねぇ、トンチが利いてて! 一休さんのようだ。わからんちんどをとっちめちんっ。
 しかしねぇ、プルタルコスさん。いやでも喋らなきゃいけない仕事ってのもあるわけで――。
bbb 2年生、準本科の授業。
 学校説明会がいつも通り午後6時から。
Q「入学試験に通るかどうか心配なんですけど」
A「大川学院では入学試験として書類選考(学歴、小論文)と面接を行っています。が、落とすための試験はしていません。
 今までで落とした人は一人だけです。その人は明らかに国の教育ローンの不正受給を狙った方でしたね。つまり、本当に学ぶ意志さえみせていただければ、落ちることはありません。
 ウチの学生の入学の目的は実に様々です。何が何でもこれで食っていこうという方、老後の第二の仕事としてボチボチやることを考えている方、純粋に趣味として健康方面の知識を増やしたい方、などなど。大川学院はそんんな皆さんの夢や目的達成のためのツール(道具)として機能できればもっけの幸い、と考えています。その意味では、学校というよりは塾に近いですね。
 塾に入学試験がありますか? 普通はない。では入塾の目的は? 自分の身の丈に合った学力の向上、でしょう。それをやっていただければいいわけです」
 いやー、今日も喋った喋った。
 夕食=トンカツ、餃子など。



2005年5月23日 (月)

行列嫌い

 午前10出社。快晴。気持ちのいい朝散歩。
 スタッフの羽生さんに週刊ポストを買いに行ってもらう。いわゆる男性週刊誌って、文春と新潮以外は、なんか恥ずかしくって自分では買えない。「年収100億円サラリーマン」清原達郎さんの記事を読みたかったのだ。
aaa 写真は、2年生準本科の授業を行う直営店りらっくすステーションのスタッフルームで、昨日発見したもの。ホワイトボードにあれやこれや書いてあるのは、ミーティングの名残だろうか。勉強してるねぇ、誰だか知らないけど。教材の準備、講義そのものなど、なかなかしんどいが、こういうのを見ると頑張り甲斐もあるというものだ。
 松浦さんの座学の講義は中耳炎。ボクの実技は、浮遊肋骨の触診と、ローリングと呼ばれる脊柱起立筋(背筋)の緩和操作。
 肋骨は、胸椎が12個あるから、12対ある。それぞれの肋骨は肋軟骨で胸骨につながり、カゴ状に胸郭を形成している。が、一番下の2つ、第11、12肋骨は、肋軟骨を持たず、したがって胸郭を形成せず、「浮いた」かたちになっている。だからこれらを浮遊肋骨と呼ぶ。
 浮遊肋骨は、構造上もろく、手技療法の臨床で、骨折事故の原因になりやすい。だから、当たり前だが、注意して避けなくてはならない。ある組織を的確に避けることができる人はどういう人か? それは、その組織を的確に触知することができる人である。ということで浮遊肋骨(略して浮肋)の触診技術は非常に重要なんである。
 夕方に天下一品ラーメンを食べ、近所の鳥肉屋さんの軒先で売っていた鳥の唐揚げを食べ歩き。
 夜、大雨になる。
 夜間部授業終了後、楽しいポロロッカでのお買い物。牛乳、グレープフルーツジュース、宇治金時のアイスキャンディー、生クリーム乗せのプリン、パイナップル、とカゴに入れ、レジまで進んで立ち止まる。人が並んでいる。商品全部、元あった場所に返して店を出る。
 そのぐらいテッテーして、列に並ぶのが嫌いな人である。自営業者になったのも、要はこのため、と言える。
 決まった時間に出社するには、電車の行列に並ばなくてはならない。決まった時間に食事を摂るには食堂の行列に、決まった日に休みを取るなら行楽地の行列に並ぶハメになる。部長や社長といった決まったポジションを狙えば、これまた年次順、あるいは能力順に並ばなくてはならない。
 自営ならこれら全てから解放される。本当にそうか? やってみた人間が言ってるんだから間違いない。本当にそうだったゾ。



2005年5月24日 (火)

悪夢ふたたび

 午前4時。悪夢にうなされて起きる。またテストの夢。今日は何か人文系の科目の論述モノ。
 小さな紙片に問題が書いてある。ボクの手元には鉛筆と消しゴムしかない。これ、この紙切れの余白に回答を書き込まなくちゃならないのか? と思って左隣の女の子を見ると、罫線入りの紙にカリカリ書いている。あ、これ、紙、持ち込みのテストだったんだ。あー、どうしよう。今からカバンを開いて紙を出すとカンニングにされちゃうし。あー、どうしよう。
 と、ここで目が覚めた。いつまで続くやら、こういうの。
 2年生の授業。頸椎ヘルニアはそろそろ終わり。実技は、カルテの取り方に入る。略語について説明した後、また学生を患者さんに見たて、実際にカルテをホワイトボード上で取って見せる。
 次回はこれ、早速やってもらいます。書いたカルテは提出してもらいます。皆さん頑張ってね。
 夕方、30分ほど昼寝。ポロロッカで鳥カツのゴマだれがけ弁当を買ってみ、教室で食べる。
 昨日と同じく、夜になって雨となる。



2005年5月25日 (水)

子供は神か

 朝8時から一時間ほど、五反田と目黒の中間、西五反田3丁目付近を散歩する。
 高層マンション・ラッシュである。新築モノ、建築中のモノ、取り壊し中の老朽化した社宅っぽい建物…。この活況のどこが不況なのか、と思うが、それにはそれなりのカラクリがあるのだろう。そういうこと、昔からだが、いまだに、恥ずかしながら、あまりよく分からない人である。
 この時間だと、通学途中の小学生を多く見る。小学生は自足している!
 前を友達が歩いているのを見つけると、駆け寄って肩をたたく。顔は、笑っている。リコーダー(笛)をピーピー吹きながら(練習?)ただ前を見つめて虚無僧のように歩く。立ち止まり、雑誌の付録みたいな紙に何やら一心に書き込んでいる。表情が満ち足りている。
 どこか思い詰めた風、駆られる風の抜けないサラリーマン・OLさん方とは、明らかに何か根本が違う。これはあれか? ルソーが晩年に達したという、「あたかも神であるかのように自足」(『孤独な散歩者の夢想』)するという境地か。
 心を無にするとか、全てを絶対者に委ねるとか、昔から至福の境地についてはいろいろ言われるが、子供ってハナからやってるからねぇ、そういうこと。だいたい大して何も考えていないんだから、心は無に近いだろう。親は、多くの意味で、絶対者だ。
 午前中の仕事をひと片づけした後、あまりの天気の良さに、午前11時頃から、また散歩に出てしまう。ポロロッカでハーゲンダッツのストロベリーのアイスクリームとフレンチトーストを買う。第2日野小学校のフェンスにもたれてアイスを食べ、フレンチトーストは食べ歩き。東京卸売りセンターまで歩きユニクロでTシャツを2枚買う。今年初めて蚊に刺される。
 ところで第×日野小学校、中学校って品川にはたくさんあるんだけど、日野という地名は同区内には無い。何故? 調べりゃわかるんだろうけど――。
 松浦さんの座学の講義は副鼻腔炎などについて。ボクの実技は、臀部の触診、緩和操作など。オシリは、当然ですが、不用意に触ると失礼になります。よくよく手順を守り、注意してかかって下さい。
 夕食=茄子豚肉炒め、ぶたしゃぶなど。



2005年5月26日 (木)

寝ること

 午前10時出社。快晴。
aaa 午前中は主に、昨日あがってきた、学院の新HPの再チェックに勤しむ。あらかたは出来てきているので、あとは担当者とEメールのやりとりで済ませられそうである。便利なもんだね、EMって。トップページをちょっとだけ公開。
 去年学院を卒業し、地元大阪に帰ってナチュラルカイロプラクティックを経営する小川くんからEメール。
「日々楽しく『人生七転び八起き』を読ませていただいています」
 ナナコロビヤオキじゃなくてシチテンハッキと、読んで欲しいんだけどなぁ。
「私も『ローマ人の物語Ⅰ』を読み始めました」
 いいことだ。
「8月にバーべキューをしませんか?」
 いいねぇ! 去年もこれ、小川くんが中心になってやってくれたのだが、その時の参加者から、またやろうという話が出ているらしい。学院主催、参加は自由、と。
 ところで小川くん、スタッフ大募集中だそうである。開業1年にも満たないのに、患者さんが増えてしまって、毎日のように新患さんを断らざるを得ない状況。先日など5人も断ってしまった、という。京橋駅のすぐ近く。誰か!?
 2年生の授業。頸椎椎間板ヘルニアがやっと終わる。実技は、カルテをつけながら、治療をやりながら、というほとんど本番と変わらぬスタイルでの治療のシミュレーション。まず前回に引き続き、ボクがもう一回やって見せ、引き続いて学生同士、組になってやってもらう。
 どう、面白いでしょ? また、問診ってなかなか難しいものでしょ?
 患者さんは、言うまでもなく、素人である。こちらが望んでいるような、治療に役立つ情報を、理路整然と述べてくれるなどということはまずない。また質問の飲み込みが良くなく、ちょっと的の外れた答えを返してくる患者さんだって少なくない。そんな時、決してイライラしてはいけない。
 まあまず、無理なスケジュールは入れないに越したことはない。特に経験の浅いうちは、ある程度、患者さんと患者さんの間に余裕を持たせることも必要だろう。が、治療院が軌道に乗ってくれば、そんなことも言っていられない日が必ず来る。どうする、アイフル?
 しょうがない。まずはよく寝ることですね。へっ、寝る? そう、寝るんです。これは治療家にとっては仕事です。人間、疲れていれば必ずイライラしちゃいますから。ボクなんて現役時代は、1日7時間は寝ていました。
 患者さんはイライラしていることが多いんです。腰痛にしても肩こりにしても、病院に行っても治らないし、周りからはあまり同情されない。で、藁をもつかむ思いでたどり着いた治療院の先生が、その患者さんと同じようにイライラしてたらどうでしょう? ペケです。もう来ていただけないでしょう。治療家たる者、いつも穏やかな、余裕のある心根で、人の言うことに耳を傾けられる状態でいなくてはいけないのだ。
 ということで、サラリーマンの仕事は基本的には睡眠時間を削ることだろうが、ボクらにとっては寝ることが仕事だ。カイロプラクティックがいい仕事であるとボクが思う、またもう一つの理由である。
 午後5:30、ホームページの作成でお世話になっているS社、Sさんが来校。6:30の夜間部授業の開始直前まで打ち合わせ。
 夕食=ミューズリーの牛乳がけで済ましてしまう。



2005年5月27日 (金)

ローマ人の物語を読み通すために①

 午前7時起床。終日、オフにふさわしい快晴。
aaa ←散歩に訪れた、とある公園のトイレで。すごく分かり難いんですけど。
ローマ人の物語』を読み始めた小川くんへの、是非とも途中でくじけないためのアドバイス。
 第1巻は、多分、前半はそれなりに興味深く読めるのではないか。紀元前7~8世紀、イタリアにもギリシアからの移民が盛んであった点、ローマの建国伝説など。が、その後、王制から共和制への移行とかいうあたり、すなわち同書後半は、なかなかきついのではないでしょうか、あくびせずに読み通すのは。ボクは――投げちゃいました。
 そこでキツければもう第1巻は飛ばしてもよし、斜め読みしてもよし、ちゃんと読み通さずとも気にせず、とにかく第2巻に行ってしまうべし。何故なら、これが面白い! ハンニバルという「悪者」、ウルトラマンにおける怪獣・異星人、仮面ライダーにおけるショッカー、が攻めて来るからである。
 ハンニバルとは、北アフリカのカルタゴという国の武将である。映画にもなった小説『羊たちの沈黙』の主要登場人物の一人がハンニバル・レクター博士という殺人鬼である。そのハンニバルと死闘を繰り広げるローマ武将たちの物語が第2巻であるから、これはスイスイと読める。
 で、3巻『勝者の混迷』はまたややキツい。カルタゴを破って勢力図を拡大したローマの、内紛の物語である。実のところ、この部分は、後のローマの政治システムの発展を考える上では非常に面白い、はずの所なのだが、特にそういう興味がなければ、やっぱりタルかろうと思う。ボクは、やっぱり投げちゃいました。
 だからここも堪(こら)えて、斜め読みでも、飛ばし読みでも、巻末の年表だけ眺めるのでもいいから、とにかく4巻にいくべし。するとまた俄然面白くなってくる、はず、である。何故なら、4、5巻をかけて展開されるのが、あの有名なジュリアス・シーザーの物語だから。シーザーは、古代ローマを共和制から帝政に移行させた、実質上の最初の皇帝だ。
 続きは明日に――。
 夕食=焼き肉。



2005年5月28日 (土)

ローマ人の物語を読み通すために②

 久しぶりのゆっくり出勤で、午前11時30分出社。
 昨日の話の続きを。
 シーザーはローマの貴族にして、軍人にして、議員であったが、40歳を過ぎるまで、いずれの方面でも実績らしい実績を残していない。でも既に有名人ではあった。何故?
 理由その①=プレイボーイ。しかも熟女好き。相手から好かれ、かつ恨みを買うことが全くないという、不思議な人心収攬術の持ち主であったという。ローマ中の貴族の人妻という人妻が、列をなして彼と会う順番を待つようであった、らしい。
 理由その②=借金。要するに宝石やら家屋やら、じゃんじゃんプレゼントしちゃうわけ、彼女(たち)に。なんだそれなら、ただの金ずくじゃん、と、まあ言えないこともない。で、その総額が並みでなく、天文学的だった、らしい。
 その彼がどこへ行くか? ガリアである。ガリア?
 イタリアの北、アルプス山脈よりまた北の、当時はまだ半裸の人間が木の実を拾って食べたり、洞窟に住んでいたりという状態だった、今のドイツ、フランス、イギリスなどの辺りへ野蛮人たちの平定に行くのである。ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、のシーザーの武勇伝は楽しく読めるはずです。これが第4巻。
 さて、ガリアで活躍するシーザーのあまりの強さと人気に、元老院(ローマの国会)が危機感を募らせる。何故か? シーザーは常々、以下のようなことを主張していたからだ。大きくなったローマを効率的に統治するためには、一人の人間が迅速に判断を下し、それが国政に反映されるようなシステムが必要だ。
 元老院議員たちは代々、議員の座を世襲してきた。だから、そんなことを言うシーザーに王にでもなられては、そりゃ困る。軍事的な天才でもあるその彼は、ガリアに何年もいるうちに、ローマの強大な軍隊を完全の掌握しちゃっている。恐い! 元老院はシーザーの帰国を不許可とする。
 今や国賊のレッテルを貼られた、救国の英雄(であるはずの)シーザー。押すべきか引くべきか? 彼は「押す」と決め、軍を引き連れて凱旋を強行する。ここにローマの国論を真っ二つに割っての内乱が勃発。これが第5巻である。
 シーザーは内乱に勝つ。が、独裁者にもならなかった。皇帝と元老院がバランスをとって政治を行う帝政、正に現在の大統領制、議院内閣制を目指して頑張った。ここら辺の明晰さが、古今を通じて「天才」と評される所以である。が、反「王政」の元老院議員たちによって、あっけなく暗殺されてしまう。
 さてここまで読んで、で、投げ出しちゃった(かも知れない)第1巻、3巻に戻るのは非常に面白いと思う。ボクはそうしました。
 日本人的感覚からすれば、シーザーみたいに頭が良くて腕っぷしも強い人が、グイグイ一人で国を引っ張っていってくれるっていうのは、いいじゃない、なんて思ってしまう。が、ローマ人はそう考えない。何故? それは第1、3巻あたりで描写される、国および政治体としてのローマの成り立ちに秘密がある。
 さあここまでくれば、もう君もローマ通だ。後はいくらでも独力で読めるでしょう。Good Luck。
20050528_005 2年生の授業。実技部分は、まだまだカルテをつけながらの治療の練習が続く。これ、もうしばらくはやります。スポーツと同じです。基本を身につけたら、あとは習熟を待って反復あるのみ。実践重視の大川カイロ、ビシビシいきます。
 夕食=鳥タルタルソース丼、サラダ、牛乳。






2005年5月29日 (日)

ゴールを持ち上げ

 朝、池田山を20分ほど散歩。曇りで涼しい。燦々(さんさん)と輝く太陽も悪くないが、これもいい。日焼けには非常に弱い人である。午前9:15出勤。
aaaaaa ←写真は準本科の授業を行うりらっくすステーションからの五反田駅方面の眺め。
 2年生準本科の授業。Sさんを患者さんに見立てて治療のデモ。高校生の時、サッカーの試合中にギックリ腰になったことがあるという。ギックリ腰というのは、スポーツの最中などになるのは珍しく、むしろ日常のちょっとした動作、例えばくしゃみとか、顔を洗おうとして腰をかがめるとか、で、やってしまうことの方が多いものだ。
「いえ、実は試合前、ゴールを動かそうとしてギクッときまして、試合はできずに、そのまま病院に運ばれました」(Sさん)
「笑われなかった?」
「大笑いされました」(Sさん)
 貴重なブログネタ、ありがとうございました。
bbbb 引き続き、本科同様、学生同士、施術者と患者さんになって、カルテをつけながらの治療シミュレーション。なかなか難しいでしょ、初めてだと?
 午後5時ちょうどに授業終了。
 夕食=ラムステーキなど。



2005年5月30日 (月)

元演劇青年

 朝からの雨は、予報通り、終日降り続く。腰から下、ぬれぬれになりながらも品川から五反田まで歩く。
 午前中、学院正門はす向かいのお弁当屋さんで、五目おにぎりとフィッシュ・ドッグを買い、これらを頬ばりながら仕事。これが実に美味いのだ。
wide-room ←教室のパノラマ写真。1年生の授業。松浦さんの座学=むし歯、歯槽膿漏など。ボクの実技=足底押圧。
 実技で今やっている手技のシリーズはR(ルーティーン)2というが、早くも今週いっぱいで、これ終了です。来週の月曜は、新入生の人たちには初めての実技テストとなります。皆さん、頑張って下さい。
 足裏を押されると、とにかく気持ちがいい。何故?
 足は心臓から最も遠く、静脈血が戻りにくい部分なので、うっ血(血の滞り)が生じやすい。静脈は、動脈の心臓にあたるような独自のポンプをもっていないから、なおさらのことである。
 そもそも静脈血は、どのようにして心臓まで戻るのか? 静脈内には心臓方向に向いた弁があって、筋肉などによって静脈が押されるポンピング作用によって、この弁が働き、静脈血が心臓方向に動くことになる。つまり筋肉が動くことや、外部から押されることによって静脈は、よく心臓まで戻ることができる。
 が、悲しいかな、足裏にはあまり筋肉はついていない。だから押圧でポンピング作用を効かせてやることが役に立つ。まあ、それを言うなら、歩くことも、足のうっ血解消には非常によいわけだ、地面に押されるわけだから。
 体内に水分が欠乏すると水を美味しく感じるように、人の体は必要なものを与えられると気持ちよく感じるようにできている。うっ血が生じがちな部分に圧を加えると気持ちがよいのも、基本的には、このためと考えてよい。
 大学の頃に参加していた劇団の主催者Yさんから、実に20年ぶりのコンタクトをEメールでいただく。学院のホームページに行き当たり、ボクを見つけてくださったようである。インターネットっていうのは本当に便利だな、とつくづく思うのはこんな時である。
 てっきり忘れていたのだが、ボクがその20年前に英語から訳した戯曲というのがあって、それがこの9月に上演されることになったのだそうである。翻訳協力ということで名前を出してよいか、とのお尋ねであるが、悪いわけがない。どうぞ、どうぞ。こりゃ見にいかなきゃ。
 夕食=鳥タルタルソース丼、サラダ。こればっかりだなぁ。



2005年5月31日 (火)

新ホームページ

 午前10時出社。雨はまだ降っているが、やはり予報通り、午後にはカラリと晴れた。
 昨日亡くなった二子山親方、元大関貴ノ花、の特番で、午前中のニュース番組は大忙しである。55歳は若い。この数年、笑顔が無かったという。世間中が知っている通り、公私ともにいろいろあってのことだろう。
 生活の裏も表も世間に筒抜けである点が、彼のような人は、大変だ。それがストレスを大きくしたのは間違いないだろう。がん、脳卒中、心筋梗塞は現代日本の3大死因である。これらの、共通にして最大の原因を挙げれば、精神的ストレスであろう。喫煙が2番目ぐらいか。
 ストレスは体の免疫機能を低める。だからイライラしていると風邪を引きやすい。これは免疫システムがウイルスに負けちゃうからだ。
 がん細胞というのは、毎日数個ぐらいは体の中で発生していると考えられている。が、そのほとんどは異物として免疫システムに殺されてしまう。だから大部分の人はがんにならずにすんでいる。つまりがんになる人というのは、がん細胞が発生してしまった人ではなく、それを殺しきれなかった人、つまり免疫力が低下した人なのだ。
 さらにストレスは交感神経を興奮させる。交感神経の興奮は全身の血管を収縮させ、血圧を上げる。上がった血圧によって血管が内側から強く押され、あちこちが綻(ほころ)びやすくなる。この状態が高血圧症と動脈硬化症の合併である。脳出血、脳梗塞、心筋梗塞ともに、やりやすくなる。
 梗塞とは血管が詰まり、その流域の組織が酸素不足で死んでしまうことだ。これが脳に起きれば脳梗塞、心臓に起きれば心筋梗塞。
a 2年生の授業は「腰」椎の椎間板ヘルニアに入る。ギックリ腰の親玉だ。最近だとあの二時間ドラマの帝王、船越英一郎さんがこれをやってしまって、入院している。
 午後5:30きっかりに学院を出、五反田図書館まで歩き、6:30きっかりに帰り着く。うち45分以上は歩いているだろう。また汗みずくになってしまう。
 授業の冒頭にはほぼ毎回、プリントという名の小テストがある。夜間部のプリントはスタッフの羽生さんが始めていてくれた。
 学院の新ホームページが遂にアップ。ご意見お待ちしてます。
 夕食=少し変えて鳥カツのソースがけ丼、ってあんまり変わらんか。ピータンを105円で買って、前菜的に食べてみる。丸ごと一個、しかも切りもしないで食べてしまった。が、これ、薄切りとかにして、やはり薄く切ったキュウリなんかを添えて食べた方が美味いんだよね。
 学院となりのマンション駐車場、例のツバメの巣からなんかピーピー聞こえるのは、早くも雛が孵(かえ)ったのか。あるいは親が寝言でも言っているのか。